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ポストプロセッサとは
ポストプロセッサの”ポスト”は”後”(ポスト〇〇(人物名)で後任となる人物を指す言葉と同義です)、”プロセッサ”は”処理を行うもの”の事で、”ポストプロセッサ”は”後の処理を行うもの”となります。
主にCAMで使用されるものですが、CAEや画像処理などでも使われています。
CAMにおけるポストプロセッサ
CAMにおけるポストプロセッサは、作成したツールパスの工具経路を工作機械に合わせたNCデータへと変換し生成することです。
対象となる工作機械の仕様によって、GコードやMコード、送り速度や回転数などの切削条件、4軸や5軸の工作機械であればヘッドやテーブルの角度も付加してNCデータが出力されます。
CAMはツールパスの作成がメインとなり、ポストプロセッサはその後の処理となります。
ポストプロセッサの重要性
CAMのポストプロセッサは非常に重要な役割を担っています。
NCデータは工作機械メーカー毎に仕様が異なりますが、同じ工作機械メーカーでも機種や制御機の種類、場合によってはオプションの1つで全く違ったものになることがあります。
そのためCAMでどれほど優れたツールパスを作成しても、工作機械にとって適切なNCデータを生成できなければその性能を引き出すことができず、最悪の場合工作機械が動かない場合もあります。
折角の優れたオプション機能も、ポストプロセッサが対応していなければCAMで活かすことができない…などと言ったことがないようにポストプロセッサをCAMで運用する機械へ最適にカスタマイズする必要があります。
例えるなら、ポストプロセッサは翻訳機の役割で、CAMの言語を各工作機械に通じる言語に翻訳を行います。そのまま(直訳)でもある程度通じますが、よりスムーズに通じるような意訳や、相手(機械のオプションやマクロ)に合わせた方言の訳を行うことで話し手(CAM)の意図を確実に伝えてくれるようになります。
翻訳機がどれだけ高性能かがポストプロセッサの良さとなります。
例えば非常に高温となる条件下での耐火・耐熱の検証や真空状態、無重力空間での検証など、実際に行うことが困難・
不可能な内容でもCAEであればシミュレーションを行うことができます。
Mastercamのポストプロセッサ
Mastercamのポストプロセッサは非常に柔軟なカスタマイズを行うことが可能です。
国内はもとより海外の工作機械や制御機にも幅広く対応し、独自のオプションやマクロなどに合わせて最適なNCデータを生成します。
Mastercamの強力なツールパスで工作機械の性能を最大限まで引き出し、最高の加工を実現することができます。